地域学部 地域学科 国際地域文化コース
思いが強いほど難しい“簡潔な表現”を何度も練習
小学校の6年間、毎日のように絵日記を書いていたことから、文章力には自信があった僕。地域雑誌のライターになり、生まれ育った鳥取県の魅力を発信したいという思いを抱いていました。そのためには、地域を内側から見るだけでなく、海外からの視点も大事なのではないかと思い、鳥大地域学部の国際地域文化コースを志望。僕のことを3年間ずっと見てくださっていた担任の先生に「総合型選抜が合っている」と背中を押され、高3の夏から受験準備を始めました。
自己推薦・志望理由書は、書く前に“高校時代に何を頑張ったのか”“大学で何をしたいのか”を自分の中で明確にすることが第一。内容はすぐに固まったんですが、伝えようとするあまり文章が長くなってしまい、先生に「何が言いたいのか分からない」と注意されることが多くて。簡潔な表現を意識して、何度も書き直しました。
1次面接も「分かりやすく簡潔に」という注意点は同じですね。でも、ついつい相手も自分のことを知っているつもりで話してしまうので、全く知らない人にも明確に伝わるよう話すことを心がけました。
毎日1冊の本を要約し、受験に必要な力と知識を習得
1次面接の本番は、なんと校長先生がパソコンを貸してくださって。ありがたい半面、変なプレッシャーを感じて緊張しました(笑)。でも、最初に面接官の先生からアイスブレークがあり、その会話で随分気が楽になったので、自分の思いを出し切ることができました。
受験対策中にずっとやってきたのが、国際地域文化に関する様々な書籍の要約です。担任の先生がいろいろな本を持っておられ、毎日1冊ずつ渡されて、「明日までに1000~1500字で要約を書いてきて」と課題を出してくださったんです。もちろん一晩で全部は読むのは無理なので、気になるところを抜粋して読み、自分の考えも含めて要約を書き、先生に添削していただくことを繰り返しました。今、そのノートを振り返って見ると、この積み重ねが大事だったのだと分かります。新聞も毎日チェック、地域活性化に関するものがあれば頭に入れておくようにしました。自分の知識が広くなり、総合型選抜の試験全体を通じてかなりの力になりました。
グループ討論は主張だけでなく“共感”も取り入れて
グループディスカッションは同級生と練習する機会がなかったので、人の意見を否定しない、自己中心的にならないなど大事なポイントの確認のみで、ほぼぶっつけ本番。いろんな人と話すことが好きなので、試験本番は「その場を楽しもう」という気持ちで臨みました。自分とは違う経験をしてきた人の意見を聞いて、「すごいな」と気持ちで押されるところもあったのですが、「そういう考え方もありだよね」と共感しながら、「自分の意見もしっかりと伝えよう」と前向きに討論しました。
過去の受験報告書を見たとき「2次選考の個人面接で英語の質問はなかった。別に対策しなくても良かった」というものが多く、どうすべきか迷ったんですが、一応英語の勉強にも取り組みました。すると本番では本当に英語の質問が! 念には念を入れ、準備しておいて損はありませんね。
合格発表の日は朝からすごく緊張。そんな僕を見て先生が、「もし不合格だったとしても落ち込むことはない。まだチャンスはあるから、これを一つの通過点として次に向かえばいい」という言葉をかけてくださったのがうれしかったですね。そして、番号を見つけたときは僕以上に喜んでくれて。最後まで寄り添ってくれた先生にとても感謝しています。
後輩たちへ贈る言葉
面接は、素直な自分とポジティブな言葉で!
1次選考の面接で、地域活性化の成功事例を尋ねられたのですが、1つは答えたものの、さらに突っ込まれて焦りました。でも、そこでうそをついても、きっと後でボロが出ます。「勉強不足だったので、調べて次に備えます」と答えました。知らないことは知らないと正直に言った上で、ポジティブな一言を添えるのがベストですね。
また2次選考の個人面接で、課題論文に書いた内容の確認があったのですが、面接官の先生が話された内容が自分の考えとはずれていたので、訂正して詳しく説明。この場面では妥協することなく、自分の意見をしっかり主張できたのが良かったと思います。
MY FAVORITE TOTTORI
四季折々の美しさが魅力の久松山
鳥取市内には「久松山(きゅうしょうざん)」という山があります。江戸時代までは鳥取城があった城山で、登山道があり、頂上まで登ると市街地を一望できます。僕の自宅はすぐ近くなので、毎日のように眺めているし、何度も登ったことがあります。お堀端や二ノ丸、久松公園には桜並木があり、春は花見の名所として多くの人が訪れる場所です。夏は緑に萌え、秋は紅葉がきれい。でも、僕が一番好きなのは冬景色。雪で真っ白になった久松山は厳かな雰囲気で、水墨画のような美しさが胸に染みます。
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