鳥取大学 入学試験情報

地域学部 地域学科 地域創造コース

中嶋 亮さん

地元を盛り上げるような経験や知識を身に付けたい。

私の実家は、兵庫県豊岡市で祖父の代から皿そばで有名な出石そばの店を経営しています。幼い頃からそばを打つ祖父や父の姿を見て、「自分も出石そばを継承しよう」と考えていましたが、中学、高校と地域とも関わりながら学ぶ中で、実家の店だけではなく、もっと大きな視点で物事を見る必要性があると気付きました。出石そばを引き継いでいくことも大切ですが、この地域あってこその郷土料理です。その考えに至ってから、出石町や豊岡市の魅力を広く発信して地域全体を盛り上げていきたい。そのために、将来は地元の観光やまちづくりに携わる仕事に就きたいと思うようになりました。

地域振興について学べる大学を探していた高校2年生の夏休みに、高校主催の大学見学ツアーに参加。そのツアーの中で鳥取大学地域学部の講義を受け、「ここは自分の将来に役立つ経験や知識が得られる場所だ」と直感し、鳥大を第一志望に決めました。

当時、通っていた塾の先生に志望校を決めたことを伝えると「どうしても行きたい大学なら、入試は全部受けておいた方がいい」とアドバイスをもらい、推薦、前期、後期に加えて、推薦より前に受けられるAO入試も視野に入れることにしました。

地域創造コースの入試には、AOから後期まで全て小論文があります。私は文章を書くのが苦手だったので、2年生の1月くらいから早めに小論文の練習に取りかかりました。新聞コラムを要約して、それに関連したテーマで小論文をまとめて進路指導の国語科の先生に指導してもらうことを続け、長期戦で苦手の克服に成功しました。特に新聞コラムの要約は、時事情報を得るのにも役立ちました。

地域の課題に普段から関心を持つことが大事。

中嶋 亮さん

志望理由書と自己推薦書は前年の募集要項をコピーして何度も書き直して添削してもらいました。出石高校には、地域社会に貢献する人材の育成を目指して行われている「文理探究学習」の時間があります。校外に出て地域について調査する中で、豊岡市内の少し山間部に入ると空き家が多くあり、その活用方法が課題となっていることを知りました。そこで、空き家を活用して宿にするというアイデアを思いつきました。普通の宿ではなく、宿泊客が食事の用意や身の回りのことを自分たちで行うスタイルを採用し、旅行者だけでなく、豊岡での暮らしを体験したいという移住希望者も受け入れることができる施設を提案しました。地域の実態からオリジナルの地域活性化策を提案できた体験は、自己推薦書を書く時の自信につながりました。

面接練習は9月に入ってから始めましたが、学年主任や進路指導、教頭、校長先生と幅広い先生に協力してもらって、どんな質問が来ても対応できるように備えました。

2次選考のスクーリングは、講義を受けた後に質疑応答を経て課題論文を書くという内容です。講義を集中して聞くことはもちろんですが、講義中に取ったメモを後で見返して、内容を復習しておくことが重要だと感じました。

大学近くの住民と交流して地域活性化の経験を積む。

中嶋 亮さん

入学後は、地域おこしの実践的な経験を得たいと思い、地域学部の学生が15年ほど前から大学近くの茶屋二区の住民の皆さんと交流している「えんがわ活動」に参加しています。住民の皆さんと学生が共同で企画し、公民館で一緒に料理してご飯を食べたり、中学校の体育館を借りて運動会を開いたり、クリスマスには区内の家を回ってお菓子を配ったり。さまざまな活動を通じて、高齢の方や自分たちの両親くらいの年齢の方、子どもたちと幅広い方々と親しくなり、鳥取がさらに好きになりましたし、年齢や性別の垣根なく一緒に考えて行動することが地域の元気につながっているんだと、とても勉強になりました。

3年生までは写真部にも所属していました。風景写真を撮るのが好きで、特にその景色の中の一部を切り取るような撮り方をするのが得意です。

AO入試で入ったことで、大学時代に学びたいことをより明確に実践できたように思います。大学での学びや「えんがわ活動」で地域の皆さんと積み重ねた貴重な体験は、きっと将来、地元の観光やまちづくりに関わる仕事に就いた時に役立つと確信しています。また、写真部で鍛えた腕を生かし、地元のきれいなスポットなどを撮影してSNSなどに投稿して、観光客や移住者の増加につなげることができるかもしれません。今振り返ると、AO入試への挑戦を決めた時から、夢への一歩が始まっていたように思います。

後輩たちへ贈る言葉

早めの対策と継続が自信につながる!

AO入試は早めの対策がカギとなります。継続して準備していくことで「どんな問題が出ても大丈夫」と自信をつけることができました。面接では出願書類の丸暗記はオススメしません。当日はどんな質問をされてもスムーズに対応できるように、いろいろな先生に練習相手になってもらって、問われたことにしっかりと答えられるように準備しておきましょう。グループディスカッションでは、コミュニケーション能力や相手の意見をしっかり聞くことを意識して、人の意見を否定せずに「こういうこと(自分のアイデア)を足したらどうでしょうか」と関連づけて話をするように心がけました。

MY FAVORITE TOTTORI

「鳥取は何もない」は大間違い!

「えんがわ活動」で地元の郷土料理をたくさんご馳走になりますが、そのおいしさにいつも感動しています。食べ物もおいしいですし、八頭町の大江ノ郷自然牧場や賀露港、倉吉市、三朝温泉、大山など、県内のいろいろなところに日帰りで行って楽しめるのも魅力だと思います。地元の友達に「鳥取に遊びにきてや」と言うと、「何もない」と言われますが、それは大間違いです。楽しいところがいっぱいあります。

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