鳥取大学 入学試験情報

地域学部 地域学科 人間形成コース

牧園愛夏さん

地域と関わりながら子どもたちの成長を見守りたい。

鹿児島県徳之島で育った私。「子宝の島」と呼ばれる徳之島では、昔から地域の人たちみんなで子どもを育てる慣習があります。私も近所の人たちに温かく見守られて大きくなりました。そんな地元が大好きで、将来は自分が育ったように、地域と関わりながら子どもたちの成長を見守っていきたいと、先生という職業に憧れるようになりました。徳之島では高校卒業後にほとんどの学生が島外に出ます。鳥取大学の地域学部が実践する「地域教育学」は、まさに私が学びたいと思っていた内容だったので「鳥大に行きたい」と第一志望に決めました。

高校3年の担任の先生が、鹿児島市内で鳥大の説明会があった時に島から出向いてくださって、いろいろと詳しく聞いてきてくださいました。その説明会の際に先生がAO入試について調べてきてくれて「愛夏にピッタリじゃない?」と勧めてくださいました。

しかし、AO入試の定員は4人と狭き門です。先生からも「すごく厳しいかもしれないけど、頑張れる?」と聞かれて、私は「合格する可能性は低いかもしれないけど、チャンスは1回でも多い方がいい」と覚悟を決めて「頑張ります!」と答えました。先生は「それなら全力でサポートするから」と私の決意を受け止めてくださいました。

大学合格がゴールじゃない。大学でどう過ごしたいかを考えて。

牧園愛夏さん

徳之島が大好きで、以前から島内のごみ拾いや子ども向けイベントなどにボランティアとして参加していました。ボランティア活動の中で、さまざまな経歴をお持ちの幅広い年齢の方々と知り合う機会があり、その方々とお話するのもとても勉強になりました。AO入試を決めた頃も、地域のボランティア活動で、定年後に島に移住された元大学教授の方と知り合い、AO入試を受けることを話すと、「大学に受かることがゴールじゃなくて、大学でどのように過ごしたいのか。どんな大人になりたいのかをよく考える時期だよ」とアドバイスをくださいました。受験を前にして、どうしても試験に合格することばかりを考えてしまっていましたが、「そこがゴールじゃないんだ」と気付かせてもらった言葉です。今も深く印象に残っています。

志望理由書や自己推薦書で、自分自身をアピールするのは想像以上に難しかったです。島の合唱祭の時に、特技の書道を生かして全体合唱の「大きなうた」の歌詞を大きな紙の一面に書き、それをステージに張ってもらったことがありました。地域の人たちから喜んでもらえて、「自分にも地域のためにできることがあるんだ」と自信がついた出来事でした。そうした経験をアピールし、そして、島だけでなくいろいろな地域に出て、地域を土台とした人間形成について学んでいきたいと志望理由をまとめました。

また、新聞やニュース、本などで教育や福祉、幼児教育についての情報を得るだけでなく、島の生涯学習センターや文化会館などで行われる講演会に参加して、生で話が聞ける機会を多く持つようにして自分の視野を広げる努力もしていました。2次選考の小論文では英文読解の問題があり、担任が英語の先生だったので、私のために英語のプリントを作ってきてくださって、それを解いて添削してもらうということを繰り返していました。先生には本当に感謝しかありません。

子どもたちのできる喜びや楽しさに寄り添える先生に。

牧園愛夏さん

現在は、小学生の子どもたちを対象にキャンプやミュージックフェスティバルを企画して実施するボランティアサークルに入っています。依頼を受けて、鳥取県主催のイベントなどでブースを出すこともあり、遊びや音楽を通じて子どもたちと交流を深めています。子どもたちに楽しんでもらいたいと思っていろいろな遊びやイベントを企画していますが、結局は自分たちの方が子どもたちに元気をもらっているのではないかと思うくらい楽しく過ごしていますね。鳥取の子どもたちも島の子どもたちも笑顔は一緒だなと思ってほほ笑ましく見ています。

将来は幼稚園教諭になって、地方や離島の子どもたちの教育を支えていきたいと考えています。できなかったことができるようになる喜びや、誰かに支えられて頑張る楽しさを伝えて、島の人たちのように私も子どもたちの成長を温かく見守れる先生になりたいです。

後輩たちへ贈る言葉

落ち込んだ時は入学式に立つ自分を想像して!

私は受験の間、落ち込むことが何度もありました。面接練習では、自分の想いを言葉にするのが難しくて。先生は「大丈夫。話せていたよ」と励ましてくださるのですが、自分では納得がいかずに「なんでもっと上手に話せないんだろう」と反省することが多かったです。そんな時、化学の先生が授業中、みんなに向かって「受験勉強は大変やろうけど、来年の4月に自分の行きたい大学の入学式に立っている自分を想像してみて。そうすれば前向きになれるぞ」とアドバイスしてくださいました。そして、入学式に立つ自分を想像して、「どうしても鳥大に行きたい」という思いが再確認でき、落ち込んだ気持ちを奮い立たせることができました。皆さんも希望する大学の入学式に立つ自分を想像して頑張ってください。

MY FAVORITE TOTTORI

地元と重なる素敵な景色。

鳥取は自然が豊かで空気がきれいです。景色も素敵で、私の地元と重なる部分が多く、とても暮らしやすいです。また、人柄がよく、ボランティアで知り合った地域の方々も自分の子どものように気さくに接してくださるので、鳥取も温かくて優しい人がたくさんいるなと感じています。

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