鳥取大学 入学試験情報

トリダイ プロフェッサー竹田 洋志

  • 教育支援・国際交流推進機構
  • 国際交流センター

准教授

竹田 洋志

Hiroshi Takeda

「安全のプロ」になり、
充実した海外留学生活を
送ってほしい。

学生たちがグローバルに活躍できるように。

例えばもし海外留学先で、急な病気になったら、自然災害に襲われたら、盗難に遭ってしまったら、果たして冷静に対処することができるだろうか。国際交流センター・副センター長である竹田洋志 准教授は、まさにそうした事態が起こったときの対処法や安全対策を調査研究し、学生たちへの指導を行っている。

2013年10月から始まった「海外安全マネジメント」の授業は、海外研修・留学を目指す学生の必修科目だ。「時間・内容ともこれほど充実した授業を行う大学はほかにないでしょう」。パスポート申請や、安全情報の集め方、感染症や予防接種、犯罪・トラブルの対処法、海外の交通事情等々、実にきめ細かい内容を全15回にわたり講義する。

充実ぶりは授業だけではない。教科書として使用している『海外安全ハンドブック』には、「現金やカードは分散して持つ」「データはこまめにクラウドに保存する」など実に具体的に対策・対処方法が書かれている。ほとんどの章を准教授を中心とする国際交流センター教員が記している。その至れり尽くせりの内容に海外取引を行う企業も注目し、活用しているという。

「知る」ことで被害に遭う確率を下げる。

仕事柄、海外出張は非常に多い。「でも幸い、お金を盗られた経験は1回もないんですよ」。詐欺や強盗などあらゆる犯罪パターンを知る准教授は、ハード・ターゲットそのものだ。「少なくとも“知っている”ということは優位に働きます。何か起こっても焦らないし、焦らなければ普段どおりの力が出せる」と説く。

そんな彼も1度だけ、急な発病によりウガンダから緊急帰国したことがある。治療により症状が落ち着いたのを見計らって旅行会社、航空会社に連絡し帰国ルートを相談、ネットで航空チケットを押さえ、翌朝には帰国の途についた。まさにハンドブックの内容をそのまま実践し、トラブルを見事にくぐり抜けたのだ。

世界各国の情勢は目まぐるしく変化している。それに応じて、最新情報の収集に奔走する毎日だ。帰国後の学生らは「実はすごいことを学んでいたんですね」と、改めて講義と本の内容に感心するという。それはそれでうれしい。だが「保険と一緒で、『こんなのいらなかった』で終わってくれるのが一番」と准教授。派手な攻撃で敢然と悪に立ち向かうヒーローもいいが、見えないところで最善を尽くし学生たちの無事をそっと見守る、こんなヒーローも格好いいじゃないか。

[取材:2016年12月]

1969年、兵庫県生まれ。

修士(農学)。兵庫県立兵庫高等学校卒、京都大学農学部農業工学科卒。95年、同大大学院農学研究科農業工学専攻修士課程修了。96年、鳥取大学農学部農林総合科学科助手。2004年、同大学国際交流センター講師。09年、副センター長・准教授に就任。

13年より「海外安全マネジメント」の講義を担当。監修する『海外安全ハンドブック』は海外渡航のノウハウが事細かに記されており、留学生の必携書となっている。

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