鳥取大学 入学試験情報

トリダイ プロフェッサー岩井 儀雄

  • 工学部電気情報系学科

教授

岩井 儀雄

Yoshio Iwai

ビジョンから
人とITや機器との、
相互作用の未来像を発掘する。

画像認識を深めた次世代インタラクションへ。

小さいころからロボットやアニメが大好きで、世間で言われる「いわゆる“ガンダム世代”になりますかね」(笑)と岩井儀雄 教授。その影響もあり物体を即座に検出し認識する装置があったらいいなぁと、漠然と中学生のころに思っていたという。

大学では基礎工学研究科で「画像認識」をテーマにした研究室へ。「20年ほど前、人の身体動作の様態を(カメラで捉えた)映像などを基にパターン認識として推定していた」が、その解析には膨大な作業が必要で「複雑な人間の動作推定は今でも難しいですね」と、きっぱり認める。けれど、そこに未来へのヒントを探す。

高性能の撮影機器(カメラ)で得られた高画質の画像には、それを読み解く側にとっても実に複雑で多様な情報を私たちに届けてくれている。

「AI(人工知能)は、ぼくらの学生時代からすると記憶容量は1万倍以上。CPUの速度も1千倍以上に速い」。ハードウエアの進展に呼応しながら「人と、人をとりまく生活の機器や環境とのインタラクション*について研究しているのです」と教授。とりわけ、画像(映像)によるインタラクションがメーンになる。

人と機器とのやりとりをループとして捉える。

「インタラクション」の定義づけは現在も進行中だ。人と機器がインターネット(ITやIoTの通信インフラ)などを介してつながる世界には、まだまだ課題が多い。教授は人の「非接触での交感・交信や感知のやりとり」を画像を通じて進化させる。

「非接触」での極度なあり方を、教授は原子力発電所のシステムに例える。「原子力発電所は人間を極力、外部において、ヒューマンエラーを排除しようとした機器だけで制御するシステムを構築しようとしてきた。でも、私たちは人間を含んだ系列的なループシステム(人と機械・機器や情報との相互作用)を考えています」。そう言う教授の研究室では、大きな液晶ディスプレイに、センシング(センサーによる解析)された「アバター」(分身のキャラクター)を想定して映し出し、そのアクションを逆に人に投げかけている。

[取材:2016年10月]

*インタラクション(interaction):「inter」と「action」の合成語。人と情報機器やそのシステムが相互に作用し合うこと。

1969年、愛媛県生まれ。

博士(工学)。愛媛県立松山南高等学校卒。97年、大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻(博士後期課程)修了。同研究科助教授、英国ケンブリッジ大学工学部客員研究員などを経て11年より鳥取大学・大学院工学研究科教授。

主な研究テーマは「コンピュータビジョン、パターン認識」など。「偏差値ではなく、何をしたいのかの目的意識(モチベーション)で学生時に習得する中身が変わってきます」と学生の成長を期待する。

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