鳥取大学 入学試験情報

トリダイ プロフェッサー谷村 千華

  • 医学部保健学科
  • 看護学専攻

教授

谷村 千華

Chika Tanimura

学生の意見に耳を傾け、「患者さんの悩みに共感し、わかろうとする姿勢が患者さんとの距離を近くする」と繰り返しアドバイスする。

看護の目的をひとことで言うなら
患者さんの生活過程を
整えることです

国際交流や地域貢献につながる慢性疾患患者の健康教育

糖尿病や高血圧に代表される慢性疾患は、生活習慣にも深く関わるだけに、患者自身の意識改革が重要となる。「慢性疾患を抱える人々の看護」を追求する谷村准教授は、変形性膝関節症患者の自己管理能力を高めるプログラムを開発し、地元で実践。症状の緩和や生活上の困難の減少など、効果を上げてきた。

そのノウハウを生かして取り組んでいるのが、鳥取大学国際乾燥地研究教育機構としての研究で、JICA(独立行政法人国際協力機構)の委託事業である、フィリピンでの糖尿病患者を対象とした活動だ。同行する学生たちは、実際に患者と向き合い、クイズ形式やゲームを取り入れながら健康教育を実施する。この取り組みは、患者の自己管理能力や生活の質の向上を目指すだけではない。国際交流や慢性疾患を持つ患者への教育に関心がある学生の参加を促進し、グローバルな人材育成にも貢献しているのだ。

患者と学生の価値ある変化を大切に

看護の仕事は、「患者さんの語りを聞き、考えていることや日頃の生活について教えていただく姿勢を持つことが重要」だと、谷村准教授は話す。看護師だった母の姿と、病棟の看護師時代の経験が土台だ。そのうえで、患者が価値ある変化を起こすことが目標だという。誰もが、運動や食生活が大事だとわかっていても、日常的に継続することは難しい。患者にやる気や満足感、知識やコツを覚えて自信がついたなどの「価値ある変化を促し、自分らしい生活に戻れるようサポートする」のが看護なのだ。

実は、学生たちも価値ある変化を起こしている。前述したフィリピンでの活動参加を希望し、大学内の「出る杭を伸ばす医学生支援プロジェクト」に応募。自らの力で念願を果たす学生まで現れたのだ。

「今後も意欲的な学生を連れて行き、看護と教育のあり方を探求し、学生とともに自ら成長し続けたい」と谷村准教授は考えている。

[取材:2018年10月]

受験生へのメッセージ

人への関心を持ち、日頃からいろいろな生活体験をたくさんしてください。看護の本質は生活を整えることです。料理ができなければ適切な食事指導もできないし、何も運動をしていなければ運動指導に説得力が生まれません。まずは自分の生活がきちんとできるようになることが大事です。そして、人に教えてもらうのではなく、何ごとも自ら学ぶ姿勢で能動的に学んでほしいと願っています。

1975年、鳥取県米子市生まれ。

鳥取県立米子東高等学校卒業。兵庫県立看護大学看護学部看護学科卒業。鳥取大学医学部附属病院看護師採用後、2003年より同大学医学部保健学科教員。同大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程修了。2012年より現職。

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