鳥取大学 入学試験情報

トリダイ プロフェッサー竹内 潔

  • 地域学部地域学科
  • 地域創造コース

准教授

竹内 潔

Kiyoshi Takeuchi

文化や芸術に親しみ
育まれる感性で
地方の未来を創造する。

地域の未来を文化・芸術で切り拓く。

人は文化や芸術でお腹を満たすことはできない。しかし、人が生きていく上で実は最も重要なものは文化や芸術なのかもしれない。竹内潔 准教授は、文化や芸術を対象とする政策の実態と在り方を学ぶ文化政策論とともに、文化・芸術に内在する創造性を生かした地域づくりを研究する創造地域論を専門とする。特に、少子高齢化が進む鳥取県において、「生き抜くためにはこれまでのやり方は通用しない」と指摘し、「そこを切り拓いていくのが文化や芸術」だと強調する。

鳥取大学に来てからは、鳥取市内にある円形の空きビルをアーティストが滞在制作する拠点として活用し、地方都市に活力を与えようという取り組み「ホスピテイル・プロジェクト」に関わって、その活動を今後も継続していく予定だ。

政策の現場にいた強みを教育に生かす。

大学卒業後、一度は茨城県庁に就職。文化振興を行う部署で県立の文化センターを担当していた時に東日本大震災を経験し、県内の公立文化施設の災害復旧に携わる過程で、地域住民から「毎年のイベントが開けない」「みんなで集う場がない」などの声を聞き、文化施設の必要性を改めて実感した。限られた予算の中でどのように文化振興を進めていくべきか悩み、本格的に勉強し直そうと研究の道に進んだ。

「政策の現場にいたことは自分の強み。芸術の世界では、時に表現の自由とそれを不快と感じる人たちとの間で摩擦が生じることがある。公務員として人々の声に耳を傾けて決断しなければならない立場もよく分かる。理想と現実のバランスは難しいが、自分の経験から伝えられることはあると思う」。地域学部には他にも県庁や市役所で働いた経験のある教員がいるといい、「地域と一緒に何かやっていこうという学部の実践重視の姿勢を感じた」。

「フィールドとして鳥取は面白い場所」と、鳥取市鹿野町を拠点に多彩な演劇活動を繰り広げる「鳥の劇場」を挙げ、「演劇という表現方法を使って地域の人たちや子どもたちと一緒に盛り上がっている。東京にいた頃からその様子を聞いて、鳥取に来たらぜひ足を運びたいと思っていた。意外と都会にいる人の方が鳥取の面白さを分かっているのかもしれない」と、鳥取での今後の活動に胸を躍らせた。

[取材:2019年10月]

1980年、茨城県生まれ。

修士(文化政策)。茨城県立土浦高等学校、東京大学教育学部卒後、茨城県庁に就職。県職員時代に政策研究大学院大学に入り、修士課程を修了。日本学術振興会特別研究員を経て、2017年から鳥取大学へ。妻と娘は東京で生活し、鳥取に単身赴任中。

現在、体を動かせる趣味を模索中で、ホスピテイル・プロジェクトで体験した古武術に興味を持ち、新たに取り組もうか検討している。

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